一般的にあまり知られていない高専ですが、高専についての知識が多少なりともある人であれば、「高専に通っている子は頭がいい」もしくは「勤勉」というイメージを持っています。

一応中学では成績がいい方でした!



僕は、受験勉強を必死に頑張ったかなぁ…。
「高専の子は頭が良さそう」というのは単にイメージではなく、実際に高専の偏差値は高いわけですが、それには高専ならではの理由があります。また、成績のいい子が普通高校ではなく、高専を選ぶのにはそれなりのメリットがあります。
この記事では
について解説しています。
この記事で高専についての理解を深め、参考にしていただければと思います。
高専の偏差値が高い理由
高専の偏差値 | 62.2 |
高専の偏差値平均は62.2です。
平均よりかなり高いため、意外だと感じる方も多いかもしれませんね。
高専によって偏差値のバラつきは当然ありますが、全体的には「高専は地域のトップ校には少し及ばないかもしれないけれども、それに準じるランク」くらいの理解でいいでしょう。
ちなみに最も偏差値が高いと言われている明石高専の場合は67~69ですから、こちらは文句なしの地域のトップ校です。
よく高専と混同される教育機関に「工業高校」がありますが、工業高校の偏差値は35〜54で、40台のところが多いです。高専と工業高校は制度も内容も異なるため、区別して考える必要があります。
さて、高専の偏差値が高い理由はいくつかあります。
①即戦力が期待されているから
高専偏差値が高いのは、高専が設立された経緯も関係しています。
高専はもともと、産業界の熱い要望に応えるために、我が国の経済成長が目覚ましい1960年代に国が第一期校を開校したのがはじまりです。
つまり、高専は実社会で即戦力となる技術者の養成を目的としており、そのスタンスは昔も今も変わりはありません。
高専では学生自らが目的意識を持って学ぶ場であるため、おのずと偏差値が高くなるのでしょう。



僕は将来、電気関係の方面に進みたいと思っているよ。



私は情報関連企業に行きたいかな。
②大学に近いハイレベルな教育システム
高専は大学と同じ高等教育機関(高校は中等教育機関)として存在しています。
高校生までは「生徒」と呼ばれますが、高専に入学すると「学生」と呼ばれる、というのはよく聞く話です(ちなみに大学でも「学生」と呼びますね)。
また、高専の教員は「教授」や「准教授」などで、研究室があります。授業は単位制を採用しており、60点未満のいわゆる「赤点」を取ってしまうと単位を取得できず、留年してしまいます。
追試を受けられる場合もありますが、それでも普通高校の赤点が40点未満ですから、高専は高い基準で運営されていることがわかりますね。
頭のいい子があえて高専を選ぶ理由


高専への進学率は1%未満です。たとえ魅力的なカリキュラムであったとしても、普通高校に進学し、4年制大学に進んだ方がいいと考える人も多いでしょう。
ここでは、頭のいい子があえて高専を選ぶ理由を、メリットとともにお伝えしていきます。
①高専がいいと思っているから
1番目は、単純に高専の方がいいと思っているからです。
工業系に進みたいなど、やりたいことがはっきりしている場合、高専は非常に魅力的な学習環境です。
一般的にあまり知られていない高専ですが、たとえば親や親戚など近しい間柄の人が高専卒である場合は、その魅力やメリットを感じるため、高専に進む割合も高くなるでしょう。
②大学受験の受験勉強に時間を取られなくて済むから
高専は5年制です。高専に進む場合、大学受験の試験勉強に時間を取られなくて済みます。
仮に国公立大学を目指すとなると、理数科目・文系科目をバランス良く学び、高得点を取っていく必要があります。
たとえば理系が得意な人は、国語などの文系科目が苦手な場合が多いものです。これを克服するためには相当の努力を要しますし、得意の理系科目もさらに点数を高めていく必要があります。
大学受験ともなると勉強量が膨大で、塾や予備校に通う人も多いでしょう。
このことを考えると、偏差値が多少高くとも、中学3年生で受験する「国立高専受験」はまだ対策しやすいとも言えます。
③高専卒業後は大学3年次に編入できるから
高専から大学に編入する場合は、一般的に大学3年生次編入となります。
編入試験は、一般入試で受験するより難易度が低いとも言われています。
実際に、高専から東大や国立大学の工業科などに編入している実績も毎年報告されていますし、近年では「高専編入枠」を新たに創設している大学もちらほらあるようです。
④【就職率100%】大企業への就職の近道だから
高専の就職率はほぼ100%、求人倍率は約20倍です。
大企業に就職している割合が非常に高いのが特徴です。
就職活動はそれなりに準備が必要ですが、それでも大学での就活に比べると、「そこまで大変ではなかった」という人も多いようです。主に学校推薦で就職を決める人がほとんどだというのも、大学とは異なる点です。
一方、大学での就活は、近頃「ガクチカ」といって「大学時代に力を入れて活動したこと」が重視されています。面接の場において魅力的な「ガクチカ」を答えられるように、1年次のうちからサークル活動やボランティア、留学などについて、計画的に準備している学生が多いようです。
勉学だけでなくさまざまな課外活動にも加わりたい、大学生活をエンジョイしたいという方は、大学が向いているでしょう。
しかし、目的に向かって一直線に進んでいきたい場合は、高専へ進学した方が無駄が少なく近道だとも言えます。
⑤学費を抑えることができるから
頭のいい子が高専に進む理由に、経済的な側面もあると考えられます。
ご家庭の経済状況によっては大学進学が難しい場合もあると思いますが、そのような場合でも高専であればより少ない学費で進学が可能です。
高専の授業料は国によって一律に定められていますが、ご家庭の収入状況によって利用できる支援制度がいくつかあります。
また、就職しやすい環境であることを考えると、高専を選ぶメリットは大いにあると言えるでしょう。
まとめ
高専の偏差値が高い理由と、高専を選ぶ理由やメリットについてお伝えしました。
高専は確かに偏差値が高めですが、受験を考えている方で偏差値が不安な方も諦めてしまうのではなく、まずはさまざまな情報を得て、判断材料を集めてみることをおすすめします。
今後の方向性をじっくりと考え、納得できる進路を選びましょう。