企業からの人気が高く、就職希望者の就職率はほぼ100%、求人倍率20倍とも言われる高専卒生。
卒業後すぐに就職する割合は、国立高等専門学校機構の令和5年度のデータによれば約6割弱です。


※2 出典:文部科学省・厚生労働省調査「大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在の抽出調査)」

みんなどんなとろこに就職してるのかなあ?



気になるから調べてみたよ。大企業の生産・技術系の仕事がやっぱり多いみたいだね。
高専卒生は、高い専門性を有していることや、実習・実技を基礎からしっかり学んできていることへの評価が高く、生産技術を支えるために欠かせない人材との期待が大きいようですね。
高専の授業についていくのは大変ですが、5年間真面目に頑張ってきた姿勢は、社会から高く評価されていると言えるでしょう。
それでは、実際に高専の就職先ランキングをみていきましょう。
2025年 高専卒就職先ランキング
2025年春の高専卒就職先ランキング(内定上位20社)は以下の通りです。
順位 | 社名 | 内定合計 | 2024年実績 |
---|---|---|---|
1 | JR西日本 | 71 | 57 |
2 | 第一三共 | 58 | 0 |
3 | 旭化成グループ | 54 | 101 |
4 | 関西電力 | 52 | 44 |
5 | 富士電機 | 48 | 43 |
6 | NTT東日本グループ | 48 | 68 |
7 | 東京エレクトロン | 42 | 22 |
8 | 東京電力ホールディングス | 41 | 33 |
9 | 三菱電機エンジニアリング | 41 | 27 |
10 | 鹿島 | 40 | 17 |
11 | 富士フィルムホールディングス | 39 | 57 |
12 | 三菱重工業 | 39 | 23 |
13 | LIXIL | 38 | 29 |
14 | 中部電力 | 36 | 34 |
15 | 四国電力/四国電力送配電 | 29 | 25 |
16 | 村田製作所グループ | 29 | 27 |
17 | 東レグループ | 27 | 32 |
18 | 三菱電機ビルソリューションズ | 25 | 28 |
19 | NTT西日本グループ | 25 | 20 |
20 | 浜松ホトニクス | 22 | 31 |
参照元:日本経済新聞
今まで上位にランクインしていなかったJR西日本が首位、そして第一三共が2位に。
続いて旭化成、関西電力など、製造業や電力会社をはじめとする社会インフラの業種が上位に並びました。
20位の「浜松ホトニクス」は光学関連の電子部品や電子機器を製造・販売する会社です。
ここ数年の「就職先上位10位以内」の人気企業は?
2025年春の就職先ランキング上位20位をお伝えしましたが、過去の就職先企業も知りたいですよね。
ということで、2018年以降、上位10位以内に入ったことのある企業名を列挙しました。
企業名(順不同) | |
---|---|
富士電機 | 富士フィルムホールディングス |
出光興産 | 日東電工 |
浜松ホトニクス | 東京電力 |
NTT東日本グループ | 東京エレクトロン |
東京ガス | 中部電力 |
JR西日本 | 第一三共 |
メンバーズ | 村田製作所グループ |
三菱電機エンジニアリング | 鹿島 |
NTT西日本グループ | 四国電力/四国電力送配電 |
ダイキン工業 | 三菱電機ビルテクノサービス |
東レグループ | 三菱電機ビルソリューションズ |
国土交通省 | 京セラ |
花王 | 旭化成 |
JR東海 | サントリーグループ |
三菱重工業 | LIXIL |
キャノン | FIXER |
関西電力 | ENEOS |
大企業がほとんどを占めますね。
あまり聞きなれない「メンバーズ」はデジタルビジネス運用支援サービス会社、「FIXER」はクラウド技術の構築・運用などを行う会社です。
高専卒の平均年収は?
高専卒の年収についてですが、高専という学歴は世間一般からどのように評価されているのか、気になる方も多いでしょう。
高専卒について一般的に言われているのは、「大卒の給与水準よりは下で、短大卒と同程度」だということではないでしょうか。
学んだ年数的にみて、確かにそのことには一理あるかもしれません。
しかし、政府の統計データで「高専・短大卒の年収」とひとまとめにされてしまっているために、それ以上分析しようがないというのが本当のところだと思います。
少し前のデータではありますが、高専卒のみの年収を調べた調査結果があります。
2014年:単位=万円
高専卒 | 大学・大学院卒 | 高専・短大卒 | 高校卒 | |
---|---|---|---|---|
25~29歳 | 478 | 435.3 | 368.1 | 363.6 |
30歳代 | 634 | 575.3 | 454.1 | 438.2 |
40歳代 | 815 | 764.8 | 571.1 | 528.5 |
50歳代 | 844 | 838.6 | 628.6 | 566.3 |
※大卒~高卒までのデータは政府統計による
※高専卒は「国立高専・男性の本科卒」を対象とした独自の調査結果による
この調査によると、高専卒が大学・大学院卒の給与を上回っているという驚くべき結果が出ました。
政府統計と調査方法が異なるため、もちろん単純比較はできません。
それでも、高専卒の就職先が軒並み大企業であることを考えると、結果として、そのようなことも充分起こりえるのです。
高専卒と大卒の待遇格差を撤廃した企業もありますし、限られた高専卒生を各企業が欲しがっている「売り手市場」の構図に変わりありません。
学校推薦か自由応募、どちらにすべき?
高専卒の就職率100%というのは、国立高専で学校推薦枠を利用した場合の話です。
就職活動には学校推薦と自由応募があり、それぞれ特徴があります。
つまり、学校推薦では一定の制約がありますが、自由応募の場合は文字通り自由度の高い就活を行うことができます。
どちらもメリットとデメリットがあるので、自分がどちらに向いているのか考えてみるのも良いでしょう。
高専から学校推薦で就職活動をするメリット・デメリット
学校推薦の場合は、高専が推薦状を発行し、企業に応募する制度です。
企業が信頼を置いている学校からの推薦であるため、選考プロセスが簡略化される場合が多いのが特徴です。
- メリット
-
- 選考プロセスがスムーズで、内定獲得の可能性が高い。
- 就職活動のサポートが手厚い。
- 同じ学校出身の人がいることが多いので、安心感がある。
- デメリット
-
- 志望企業を1社に絞る必要がある。
- 内定辞退不可で自由度が低い。
- 学内選抜があり、推薦枠を得られない場合もある。



たまたま興味のある企業や、好きな企業に行けるんだったら学校推薦がいいかな。
高専から自由応募で就職活動をするメリット・デメリット
学生自身が複数の企業にエントリーでき、好きな業種を選べる自由応募。
選考プロセスは、一般的な就活と同じです。
- メリット
-
- 自分の興味や適性に合った企業を選べる。
- 複数の企業に同時に応募できるため、幅広い選択肢がある。
- 企業との直接のやり取りを通じて、自分をアピールできる。
- デメリット
-
- 選考プロセスが複雑で長くなる場合がある。
- 学校推薦と比べて、内定獲得の難易度が高い。
- 選考にかかる費用(交通費など)が自己負担になることが多い。



私はどうしようかな…。
自由応募もけっこう惹かれるんだけどな~。
まとめ
高専卒の就職先企業ランキングや、高専卒の年収について、また、学校推薦か自由応募かなど、高専の就職にまつわる内容をお伝えしました。
ご本人はもちろんのこと、保護者の方にとっても気になる就職先や年収。
将来のことを見据え、納得できる良い就職先が見つかるといいですね。



僕は学校推薦を目指すよ。



私はまだ未定……どちらでもいけるように、とりあえず成績アップを目指すことにしたわ。